南インド・ケララ州でよく見かける辛味、酸味が強いサラサラタイプのフィッシュカレーを紹介します。
正式名は Meen Vevichathu 。
カシミリチリパウダーを多く使うので色は真っ赤ですが、見た目ほど辛くありません。
「イエスタデイズ・フィッシュカレー(昨日のフィッシュカレー)」という呼び方もあるそうです。作った日より翌日のほうがおいしいからだとか…。Kokumが入っているせいか、常温でも数日は日持ちするらしく(←試したくはないが)結婚式や親戚が集まるときに供されることが多いそう。
では、作ります。
材料
スパイス使いがかなりシンプルです。ケララにはこういう料理が多いような気がします。
【スパイス以外の材料】
- 魚300g(今回はメカジキ使用、一口大に切る)
- コカム Kokum2個(塩ひとつまみを加えた水に浸けておく)
- タマネギ1/2個(縦半分に割り、さらに縦に3等分。繊維を断ち切る方向にスライス)
- 青唐辛子2本(縦に切れ目を入れる)
- にんにく1かけ(粗みじん切り)
- しょうが(にんにくと同量、千切り)
- ココナッツオイル大さじ2
- カレーリーフ10枚くらい
- 塩小さじ2
【ホールスパイス】
- メティシード小さじ1/2
【パウダースパイス】
- ターメリック小さじ1/2
- カシミリチリ大さじ1
作り方
- 鍋にココナッツオイル、メティシードを入れて中火で加熱。メティの茶色がやや濃くなるまで。
- 弱火にして、にんにく、しょうが、青唐辛子、カレーリーフを加えて軽くまぜる。
- タマネギを加えてやや色づくまで炒める。強火。
- 弱火にしてパウダースパイス、塩を加える。弱中火で常にかきまぜつつ、粉っぽさがなくなるまで炒める。
- コカムを水ごと加える。弱中火で3分くらい煮る。油が分離して浮いてくる。
- 魚、ヒタヒタ程度の水を加え、蓋をして煮る。火が通ったら完成。
- 食べる。
- 翌日も食べる。
注意点
- コカムには細かいカスが付いていることが多いので、水に浸ける前にざっと洗っておくといいです。それ以前に「Kokumって何よ」って話ですが。
- 塩の効かせ方が重要です。思いきってガツンを効かせたほうがスパイスの香りが前面に出てくるように思います。塩がキマるとカシミリチリの香りがカーンと鼻から脳天へ突き抜けていきます。
- 水の入れすぎに注意。魚から出てくる水分を計算に入れて、手順6でヒタヒタよりやや控えめに水を入れておき、様子を見つつチマチマと水を足すと失敗しにくいと思います。
- チマチマと水を足すと言っておいて何だが、魚の加熱時間はできるだけ短く、余熱も利用して火を通します。
食材について
- Kokum→コカム。コクム。ガルシニアの皮(実の皮だったかいな?)を乾燥させたもので独特の香りと酸味を出します。シーフード料理によく使われるせいか別名が Fish Tamarind。日本で入手できるかは不明。ネット通販でも入手できるようです。「ゴラカ」で検索すると見つけやすい。なかったらタマリンドを使いましょう。
- メティシードの加熱具合は未だによく分かりません。ネパール料理とかだとガッツリ焦がすみたいですし…。たぶん正解はないんでしょうね…。
- カシミリチリ→カイエンペッパーよりも赤色が鮮やかで辛味が穏やか。ちょっと違うええニオイ。日本には正規に輸入されてないようですが、インド食材店へ行くとたまに…わりと置いてある。
- 魚の分量→このレシピでは300g、魚たっぷりめな仕上がりになります。好みによって200から300gで調整しても問題ないと思います。
では、また書きます。