【インド料理レシピ】シーフード・うそビリヤニ ~ 提供・日本うそビリ研究会

おいしい「うそビリヤニ」ができましたので、レシピを書きます。

 

元になっているのは、今年5月に南インド・ケララ州で出会った絶品シーフード・ビリヤニです。フライパンで仕上げる簡易型ビリヤニ…いわゆる「うそビリヤニ」なのですが、一流の料理人が作ると「ほんとビリヤニ」を凌ぐウマさになります(笑)。

 

これがきっかけとなって、世間で言われている「ほんと」「うそ」という区別がどれだけの意義を持つのか、大いに疑問を感じるようになり、今回の試作につながりました。

 

前回の試作では仕上がりがベッチャリなってしまったので、その点を改善したレシピです。まだまだ改良の余地はありますが、一定のレベルはクリアできていると思うので、現時点のものをアップしておきます。

 

レシピの記述に入る前に断っておきますと、いわゆる「ほんとビリヤニ」と比べて作るのがラク、ということはありません(はい、残念でした笑)。ただ、失敗しづらいというメリットはあると思います。それについては後述します。

 

工程がやや複雑なので、それぞれの段階に分けて書きます。

おおまかには以下のとおり。

  1. ライスをゆでる
  2. フライドオニオンを作る
  3. カレーを作る
  4. カレーとライスを合わせる

 

約4食分になります。大食いなら3食分。

1.ライスをゆでる

【スパイス以外の材料】

  • カイマライス300g(なければ、バスマティライスで)
  • 塩小さじ2と1/2

【ホールスパイス】

  • カルダモン4個
  • クローブ4本
  • シナモン1cm×5cm
  • ベイリーフ1枚

【手順】

  1. 米を水に浸けて置いておく。最初透明感のあった米が完全に白くなるまで。所要時間は季節によって違いますが、夏なら30分、冬なら1時間くらい。目安としては、こんな状態です。

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  2. 鍋に水1リットルとホールスパイスを入れ、蓋をして沸かす。沸騰したら、ボコボコがキープできるくらいに火を落とし、そのまま15分加熱。
  3. ホールスパイスを取り除いて、塩を加え溶かす。
  4. 米を加える。米を入れるとお湯の温度が一時的に下がって、沸騰していない状態になる。火力を上げて再度ボコボコ泡が出る状態に戻し、6分程度茹でる。お湯の状態は「ピンポン球大の泡が鍋の中央付近にポコポコ出ているくらい」をキープ。ボッコボコには沸騰させない。
  5. ザルに上げて、よく水気を切っておく。

 

2.フライド・オニオンを作る

【材料】

  • タマネギ1/2個(繊維を断ち切る方向に薄くスライス)
  • 揚げ油適量

【手順】

  1. 鍋に油を熱して、タマネギを加えて揚げる。最初は強火。徐々にタマネギのかさが減り、色も茶色くなってくるので、少しずつ火力を落とす。
  2. 全体が程よく茶色になったら、タマネギを上げてクッキングペーパーなどを使って油を切っておく。

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3.カレーを作る

【スパイス以外の材料】

  • エビ、中くらい10尾
  • イカ1杯(輪切り)
  • ボイルベビーホタテ12個
  • (↑魚など、お好みのシーフードでOK)
  • ギー大さじ3(なければバターで)
  • にんにく1かけ(みじん切り)
  • しょうが1かけ(千切り)
  • 青唐辛子1本(縦に割って種を取り除く)
  • タマネギ1/2個(繊維を断ち切る方向にスライス)
  • トマト150g(粗みじん切り)
  • カシューナッツ大さじ1と1/2(ミルなどで水少量とともにペーストに)
  • パイナップル80g(粗みじん切り)
  • ヨーグルト大さじ1と1/2
  • 香菜大さじ2(ざく切り)
  • ミント2g(粗みじん切り)
  • 生クリーム大さじ1
  • ローズウォーター小さじ2
  • レモン汁小さじ1
  • 塩小さじ2

【ホールスパイス】

  • カルダモン4個
  • シナモン1cm×5cm
  • ベイリーフ1枚

【パウダースパイス】

  • ターメリック小さじ1/2+小さじ1/4
  • カシミリチリ小さじ1(なければカイエンペッパー小さじ1/2)
  • コリアンダー小さじ1
  • ガラムマサラ小さじ1
  • フェンネル小さじ1

【手順】

  1. このあたりで心が折れそうな人、多数いそうである。
  2. 鍋にギー、ホールスパイスを入れて、中火で加熱。目安としては、カルダモンがふくらんでくるくらいまで。
  3. 弱火にして、にんにく、しょうが、青唐辛子を加えて軽くまぜる。
  4. タマネギ、塩小さじ1を加えて炒める。できるだけ強火で。タマネギが半分茶色になるくらいまで。
  5. 火を止めて、【パウダースパイス】ターメリック小さじ1/2、カシミリチリ、コリアンダーを加える。弱中火にして常にかきまぜながら2分くらい炒める。
  6. トマトを加える。中火。トマトをある程度崩しつつ炒める。ここでトマトの水分を飛ばすことを意識しつつ炒めることが重要。ここからは「ねっとりペースト状」をキープする。
  7. カシューナッツペーストを加える。弱中火で1分くらい炒める。
  8. パイナップルの半量と香菜を加える。弱中火で1分くらい炒める。
  9. 弱火にして、【パウダースパイス】ガラムマサラとフェンネルを加える。弱中火で常にかきまぜつつ、2分くらい炒める。
  10. ヨーグルトを加えてまぜる。この時点で鍋の中は、こんな状態(写真左、以下追記:かきまぜつつ炒めて、もっと水分を飛ばしたほうがいいです)。ちなみに、中央は前回(水分多すぎ)、右はケララで見たオリジナル版。
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  11. フライパンにシーフード、ターメリック小さじ1/4、フライドオニオンの1/3量、ミントの半量、塩少々(分量外)を入れてまぜる。中火→弱中火で、かきまぜつつ炒める。炒めすぎるとシーフードが固くなるので、加熱時間は最小限で。
  12. フライパンで炒めたシーフードをカレーの鍋に入れる。シーフードから出たおいしい汁たちも入れる。この時点での鍋の状態(写真左)。写真右、オリジナル版。筆者のはシーフードやや多め(多めのほうが食べるときにうれしいのだ… )。この時点でどう考えても水分量が多い…という場合は、シーフードを鍋から取り除いて、鍋を強めの火にごく短時間かけて余分な水分を飛ばす。実は、筆者もその方法で調整しました。
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  13. 塩小さじ1、パイナップルの残り、ミントの残り、フライドオニオンの1/3量、生クリーム、ローズウォーター、レモン汁を加えてまぜる。この段階で増える水分量も意外と軽視できないものがある。

 

4.カレーと米を合わせる

  1. 茹でた米とカレーをまぜる。米を少しずつ加えてはまぜるを繰り返すと、やりやすい。鍋の中の水分量の多い所を狙って、米を投入する感じ。
  2. フライドオニオンの残り1/3をトッピングにする。

 

5.さらなるトッピング

やりたい人だけやってください。

筆者もここまでやると、少しぐったりしてきます。

【材料】

  • カシューナッツ大さじ1
  • レーズン大さじ1
  • ギー小さじ1

【手順】

  1. フライパンにギー、カシューナッツを入れて、軽く炒める。カシューナッツを取り出してトッピングに。
  2. 同じフライパンでレーズンを炒める。やや透き通ってきたら、同じくトッピングに。

 

あとは、盛って食べる。

お疲れさまでした。

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ここまでで約2600字なんですが、レシピでここまで書いたのって初めてです。しかも、まだ終わらないんだよな。

 

注意点

  • 一番の注意点は「もしかしたら、ほんとビリヤニよりも手間がかかるかもしれない」ということです。気を付けてください。
  • 米を茹でる際は、お湯から上げて置いている間も余熱で火が通ることを計算に入れること。ちょっとだけ芯が残っているくらいで上げます。
  • カレーを作る【手順】6~12の間は「ねっとりペースト状」をキープすること。一番厄介なのはトマトの水分。手順6でしっかり飛ばすべし。ちなみに、ケララで見たときはお湯を足しつつ「ペースト状」をキープしていましたが、日本で作るときはおそらくお湯不要。日本の食材はとにかく水分が多いです…。
  • しっかりペースト状をキープできたぜ!と思いきや、最後に生クリーム、ローズウォーター、レモン汁という「水分」を入れる手順がある。これを忘れていると、ロスタイムの同点ゴール並みに心理的ダメージが大きい。最後まで油断しないこと。

 

「うそビリヤニ」を作っての感想など

  • 全然ラクではない。
  • ただし、ビリヤニ作りにおいてかなり厄介な問題となる「米の茹で加減と水分量の調整」を実質的にスルーできてしまうという点で、一定のクオリティに仕上げやすい作り方であることは確か。
  • しかも、鍋の材質の違いもほぼ気にする必要がない。密閉して蒸す、という工程がないからね。この点でも安定感がある。
  • オーダーを受けてからの流れを想像すると、意外とレストラン向けの作り方。

 

なぜか当ブログの最長記録を更新しました。

真似したい人だけ真似してください。

 

では、また書きます。

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