ケララ州・マラバール地方のタラッセリー・ビリヤニ(Thalassery Biryani 発音は「タリシェリ・ビリヤニ」と聞こえる)を紹介します。
特徴を説明できるといいのですが、筆者自身もさほど分かっているわけではないので、写真を載せておきます。
バスマティライスではなく、粒の短いカイマライスを使用します。盛りつけはドーム型。さらに大きいスプーン(このときはなぜかフォーク)が上にのっけられた状態で提供されます。写真はコーチンにあるParagonにて。
大まかな工程は
- サフラン水を準備する
- フライドオニオンを作る
- ビリヤニマサラを作る
- チキンマサラを作る
- ライスを炊く
- チキンマサラとライスを合わせる
となります。
結構めんどくさいです。
では、工程ごとに材料と作り方を記載していきます。
4~5食分になります。
目次
工程1.サフラン水を準備する
【材料】
- サフラン4つまみを
- ぬるま湯大さじ2に浸けておく(工程6で使用するまで置いておく)
工程2.フライドオニオンを作る
【材料】
- タマネギ150g、中3/4個(繊維に沿って薄くスライス)
- 揚げ油適量
【作り方】
- 鍋に揚げ油を熱し、タマネギを入れる。できるだけ強めの火でタマネギを揚げる。
- タマネギのかさが減る&色づくごとに少しずつ火を弱める。全体がほどよく色づいたら、タマネギを引き上げる。広げて置いておく。引き上げている最中、余熱でも火が入るため、「もう少し色をつけたいかな」くらいのタイミングで上げる(筆者はよくやりすぎます)。
- しばらく置いておくと、タマネギがサクサクになる。3/4くらいのタマネギを手でモミモミしてクラッシュする(工程4で使用する)。残り1/4はそのまま(工程6で使用する)。
工程3.ビリヤニマサラを作る
以下すべてをミルなどで挽いてパウダーにする。
【ホールスパイス】
- ブラックペッパー小さじ1
- フェンネル小さじ1
- シャヒジーラ小さじ1/2(なければクミンとキャラウェイを半々で。もしくはクミン小さじ1/2でも)
- カルダモン4個
- クローブ2本
- シナモン1cm×3cm
- タカノツメ1本
- メース小さじ1/2
- スターアニス つめ2つ分
工程4.チキンマサラを作る
【材料】
- 骨付き鶏肉500g(手羽元300、手羽中200を使用。もちろん全部手羽元でよいのですが、材料調達の都合でこうなりました。とにかく骨付きを500)
- ギー大さじ3
- タマネギ150g、中3/4個(繊維を断ち切る方向にスライス)
- ニンニクと生姜のすりおろし、合わせて大さじ1
- 青唐辛子1本(縦2つに割って、種を取り除く)
- トマト150g、中3/4個(粗みじん切り)
- 香菜の根茎(刻む)小さじ1
- 塩小さじ1
- ターメリック小さじ1/4
- 工程3で作ったビリヤニマサラ
- 香菜の葉(刻む)大さじ2
- ミント大さじ1
- ヨーグルト大さじ3
- レモン汁 小さじ1
- 工程2で作ったフライドオニオン(クラッシュしたほう)
【作り方】
- 鍋にギーを熱し、タマネギを加える。できるだけ強めの火でタマネギがやや色づくまで炒める。炒め加減は写真参照。
- 弱火にして、ニンニクと生姜のすりおろし、青唐辛子を加える。まぜる。
- トマト、香菜の根茎、塩を加える。トマトを適当につぶしながら、弱中火で2分炒める。
- 弱火にして、ターメリック、工程3で作ったビリヤニマサラを加えてまぜる。常にかきまぜながら、弱中火で1分炒める。
- 鶏肉、香菜の葉、ミント、ヨーグルトを加えてまぜる。弱中火~中火(焦げつかない程度)で、適度にかきまぜながら5分炒める。
- レモン汁、工程2で作ったフライドオニオン(クラッシュしたほう)を加えてまぜる。水適量を加えて、蓋をして30分煮る。沸騰するまでは中火、沸騰後は弱火。水の量は写真参照。1枚目が煮始め、2枚目が煮終わり。2枚目くらいの水分量になるように調整する。ちなみに、使用した鍋は直径18cm、深さ8.5cm。
- 出来上がったチキンマサラは工程6で使用するまで置いておく。
工程5.ライスを炊く
【材料】
- カイマライス500g(軽く洗ってから水を切っておく。なければバスマティライス)
- ギー大さじ3+大さじ1
- カシューナッツ大さじ2(なければ省略)
- レーズン大さじ1(なければ省略)
- カルダモン4個
- クローブ2本
- シナモン1cm×3cm
- ブラックペッパー10粒
- ベイリーフ1枚
- お湯1L
- 塩大さじ1
【作り方】
- 米を炊ける大きさの鍋にギー大さじ3を熱し、カシューナッツを加える。ナッツが軽く色づくまで炒めたら、取り出す。
- つづいて、レーズンを加える。レーズンがふくらんでくるまで炒めたら、取り出す。
- 同じ鍋にギー大さじ1を加えて加熱。ホールスパイス(カルダモン~ベイリーフ)を加える。カルダモンがふくらんでくるまで炒める。
- ライスを加える。弱中火でかきまぜながら2分炒める。
- お湯と塩を加える。蓋をして、沸騰するまでは中火、沸騰してからは弱火で加熱する。お湯がなくなるまで加熱を続ける(米を炊いて、少し硬めのギーライスを作る)。
工程6.チキンマサラとライスを合わせる
【材料】
- 工程4で作ったチキンマサラ
- 工程5で炊いたライス
- 工程1で準備したサフラン水
- 工程2で作ったフライドオニオン(クラッシュしてないほう)
- 工程5で炒めたカシューナッツとレーズン
- 香菜の葉(刻む)大さじ1
- ローズウォーター小さじ1(なければ省略)
- 油少量
【作り方】
- 焦げつき防止のため、鍋に油少量をしく。ルクルーゼ22cm、3.3Lを使用。このサイズでギリギリ。
- その上にチキンマサラ全量をのせる。
- チキンマサラの上にライスの半量をのせる。
- その上にカシューナッツの半量、レーズンの半量、フライドオニオンの半量、刻んだ香菜の半量をのせる。この時点で写真のようになる。
- さらにその上にライスの残り半量をのせる。
- ローズウォーター、サフラン水を回しかける。
- 残りのカシューナッツ、レーズン、フライドオニオン、香菜をのせる。
- 蓋をして蒸す。中火3分、弱中火2分、弱火15分(IH使用。火力3/5→2/5→1/5)。
- 火を止めて、10分蒸らす。
- 食べる。
ドーム状に盛ります。めんどくさければ、普通にドバドバ盛りましょう。
注意点
- フライドオニオンを揚げすぎないこと。色づき始めてからが速いです。
- 油やギーの使用量に怯まないこと。ひとまず「カロリー」という言葉を忘れましょう。
- チキンマサラの水分量。これに関しては、出来上がりがヒタヒタ程度という曖昧な表現になってしまいます。計ればいいんだけど、そこまではやってない(笑)。
- 米の炊き具合。8割炊けた程度。硬めを目指します。といっても、出来上がりが少し柔らかめになっても、普通においしくは食べれますので気楽に適当に。調理環境によっても違ってきそうな部分です。
- こだわる人向け。工程6で鶏肉を鍋の外周付近に置かない、つまり、できるだけ中心付近に集める。盛り付けのときに鶏肉を「発掘」する必要があるわけですが、そのときの木ベラやお玉で鶏肉を崩してしまうのを防ぐためです。鶏肉をどう配置したかまで覚えておくと◎。
食材について
- カイマライス→ジーラガサンバ・ライスとも。粒の短い米で、ケララではビリヤニに使用されることが多い。日本ではおそらく普通には入手できないと思われますので、バスマティライスやソナマスリライスで代用しましょう。
- シャヒジーラ(shah jeera)→クミン(jeera)に似ているけど、ちょっと違うスパイス。「シャヒジーラとはキャラウェイのこと」と言っている通販サイトなんかもあります。念のために、いまシャヒジーラとキャラウェイの香りを嗅いでみましたが、なんか違う。産地によっても違うらしい。なければクミンでOK。
- レーズン→ケララのイエローレーズン(Kismis)を使用。茶色いタイプよりも酸味が強いです。日本で入手できて性質の近いもの、という意味ではグリーンレーズンがおすすめ。もちろん茶色のものでもいいですし、省略しても構いません。
- サフラン→ネットで作り方を調べた限り、このタイプのビリヤニにはあまりサフランが使われないようで、ターメリックで色づけするレシピが多々ありました。サフランを使うのは、筆者の好みです。
いやしかし、書いたはいいけど誰が作るんですかね、これ。
では、また書きます。
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