「インドのレシピ本+日本の食材」で試作する模様をお届けする企画、第1弾です。
突然始まった感がありますが、ツイッターではそれとなーく予告していました。
実は、インドの出版社にメールを送って許可をもらいました。
「レシピ本に載ってる◯◯を作ってみた」だけなら許可は不要だそうです。
ただ、より詳細なレポートをするなら許可を得たほうがやりやすいので。
書名と出版社名
the food of INDIA
by Om Books Internationalhttps://t.co/IyOcxaHUTK— ねこターバン@インド料理製作所 (@CurryEnghi) 2018年9月14日
この企画を始めた経緯はこちら。
ちなみに、インド料理を作り始めた頃のワタシは渡辺先生のレシピどおりに作ることを繰り返し、「おお、作れてるじゃん、自分!」と思っていました。
インドで習った料理、インドのレシピ本に載っている料理を日本で作ってみて初めて「なんだ、全然作れないじゃん、自分!」と理解しました笑。
— ねこターバン@インド料理製作所 (@CurryEnghi) 2018年9月2日
初回は豚肉料理
この記事は
The Food of India by Carol Selva Rajah & Priya Wickramasinghe
Published by Om books International, New Delhi, India
を参考にしてお送りします。
さて、初回から豚肉料理。定番からハズレています。
簡単に説明します。
- このブログでの呼び名:マンガロール風ポークカレー
- 「The Food of India」 での呼び名:Mangalorean Pork Bafath
- 南インド、マンガロールという地域の「ポーク・バファット」という料理
- タマリンドやビネガーで酸味を出す
- 豚肉とビネガーの組み合わせはインドのクリスチャン料理で頻出
- このブログではセミドライ(汁気ちょいアリ)に仕上げます
では、作ります。
大まかな工程は以下のとおり。
- スパイスをからいりしてペーストにし、豚肉とマリネする
- 豚肉を焼く
- タマネギなどを炒めて豚肉と合わせる
- 煮る
では、作ります。
工程ごとに材料と作り方を書いていきます。
1.豚肉をマリネする
【材料】
- 豚肉500g(3cm角に切る、今回は肩ロースを使用)
- カシミリチリパウダー大さじ1
- コリアンダーシード小さじ1
- クミンシード小さじ1/2
- ターメリック小さじ1/4
- ブラックペッパー5粒
- タマリンド小さじ1
【作り方】
- 豚肉とタマリンド以外の材料をフライパンでからいりする。
- 1とタマリンド、水少量をミルなどでペースト状にする。
- ペーストを豚肉と合わせて、冷蔵庫で2時間置いておく。この作業はビニール手袋などを使用して、直接手で触れないようにするのがおすすめ。かなり狂暴なペーストです。
2.豚肉を焼く
【材料】
- サラダ油大さじ1/2
- マリネした豚肉
【作り方】
- 鍋に油を熱し、豚肉をマリネごと投入する。表面に軽く色がつく程度に焼く。
豚肉を鍋から取り出す。
3.タマネギなどを炒めて豚肉と合わせる
【材料】
- サラダ油大さじ1
- しょうが(みじん切り)小さじ2
- 青唐辛子大きめ1本(普通サイズだと2本か、種を取り除いて細かく切る)
- タマネギ中1個(3cm角に切る)
- クローブ3本
- シナモン1cm×3cm
- 塩小さじ1/4
- 塩小さじ1
【作り方】
- 同じ鍋にサラダ油を足し、しょうが、青唐辛子を加えてまぜる。
- タマネギ、クローブ、シナモン、塩小さじ1/4を加えて炒める。できるだけ強めの火でタマネギが少し色づく程度まで。
- 豚肉を戻し入れる。塩小さじ1を加えてまぜる。蓋をして弱火で20分炒める。
4.煮る
【材料】
- にんにく大きめ1かけ(やや細かめにつぶす)
- 酢大さじ1
【作り方】
- 鍋ににんにく、酢を加えて弱火で1時間煮る。写真は煮始め。豚肉からかなり水分が出ています。
- 1時間後。かなり水分が減り、セミドライな仕上がりに。お好みで酢(分量外)を追加する。
- 食べる。
日本の食材を使用するうえで考えたこと
- まずスパイスの量を1.5倍にしました。これは「日本の食材を使用するうえで」とは違うかもしれませんが、このレシピ本は全体的に肉の量に対してスパイスが少ないように思います。
- レシピ本では豚肉1.5kgにタマネギ2個。インドのタマネギは日本のものの2/3くらいの大きさ。使用する豚肉は500gなので、普通に計算すると「2個×2/3×500/1500=0.44…」で半個弱となります。しかし、日本のタマネギの水分量の多さ、味の弱さを考えて、思いきって倍の1個を使用しました。
- レシピ本では「4.豚肉を煮る」を始める時点で水80ccを入れることになっています(この時点で「thick sauce」になっているのが正しいらしい)。しかし、写真でも分かるとおり水が出まくっているため、水の追加はせずにそのまま煮ることにしました。
- ケララでシーフードビリヤニの作り方を見た際、「お湯を加えながら炒めて、ペースト状態を保つ」という工程があり、結構な量のお湯を加えつつ炒めていました。一方、日本の食材で作る場合に同じようにペースト状態を保とうとすると、なんと「お湯をまったく加えずに炒める」でちょうどいい具合になるのです。日本の食材の水分量、おそるべし(笑)。
- 酢の量を増やしました。最後の「追いビネガー」の記述もレシピ本にはありません。これは筆者の好みです。
他にも
- 豚肉を焼く必要はあるの
- シナモンとクローブはタマネギを炒める前に入れるんじゃないの
- にんにくは、しょうがや青唐辛子と同時に入れるんじゃないの
- 工程3と4はひとまとめにできるんじゃないの
とか、いろいろ思うところはありますが、元のレシピを尊重しました。
では、また書きます。
豚肉関連はこちら。